日台教育交流ダイジェスト
日台教育交流ダイジェスト:出発日
→初日ですが、夜の航空便なので夕方に徳山駅に集合(目印はふぐ)して博多駅~福岡空港に移動しました。
学生メンバーは初めての海外旅行のため、準備と安全対策などを細かく打ち合わせしながらの行程です。
空港はかなりの観光客で混雑していて、手続き等には時間かかったりはしたのですが、早めに到着して待ち時間はウロウロと空港内を散策。
搭乗するチャイナエアラインは機内食出るので、それを食べながら台湾グルメ入門的に渡航。夜の街を空から見ると凄くきれいでした。
桃園空港に到着すると、気温的には福岡よりちよっと熱い程度ですが、空港内は冷房多め。
入国手続のカード記入等ですが、二ヶ月前来た時からカード形式が変更になっていて焦りました(項目等が変更・追加してた)。
それについては手続前のカウンターに見本設置してあるので、それを参考にして記入。
やっと入国が出来てからの最初の課題として気になっていた「台湾でのプリペイドSIM購入」ですが、深夜まで開いてたカウンターがあったのでなんとか購入出来ました。ただし混雑(団体客の購入と重なる)で時間がかなりかかりました。
空港送迎ジャンボタクシーですが、いつもと車両の色が違ってなかなか見つからずに探しまくり。LINEで連絡取ってなんとか乗り込めたのですが、通信環境を持ってない場合は深夜は非常に大変なのを痛感しました。
それからは高速道路を爆走して予定移動時間よりも早めに彰化市のホテルに到着(大型車両だと速度速くても揺れない)。
深夜到着もあってすぐに客室へ→シャワー室とトイレの仕切りが無いのはビックリ!
日台教育交流ダイジェスト:1日目
→早朝から台中市に移動して、自転車選手等の銅像が並ぶ台中市政府に訪問。政府の方に案内してもらって、政府内の記念物や観覧スポットを回ります。当日は秋の鍋物行事?のイベントを中央広場でやってたので、台中市長が参加してました。
副局長などに挨拶に行ってから、台中市の概要を聞き、歴史や取り組みなどを展示しているコーナーを視察。
次に政府の隣にある「知日協会の記念館」に訪問。ここでは日本との交流や特産品などの展示などを行っていて、責任者が台中市商業會の理事長なので、日本との逸話などを聞きながら歓談・ちなみに理事長が元々はエンジニア系だったのは初耳でした。
午後からは台中市の工業区画にあるKingSteel社に訪問。
今回は企業DX化を実現したチームリーダーだけでなく、事業承継や企業改革を実現した総経理までかなり長く対応してくれました。
この内容は学生プレゼン予定なので省略しますが、マイクロソフトが世界でもこの会社でしか実現出来ていないという深層を知る機会になったので、これは必見でした。
イメージ的にはマイクロソフトとKingSteel社の関係性って「ナイキとマイケル・ジョーダン」みたいな関係性。相乗効果を実現した事例として。
夕方は台湾イタリアンチェーンで勢いある経営者の話を聞きながら、試食会など。台湾で魔改造されたイタリアンの真髄を学生が体験。それから町を散策しながらホテルに戻って1日目完了。
日台教育交流ダイジェスト:2日目
→この日は彰化県政府が認める代表的企業の視察を実施。
最初は「ヨーロッパの自動車メーカー向け部品製造でシェア拡大した全拓工業」です。
当日は呉さん(代表)と息子さん(後継者)は海外出張だったので、担当者からプレゼン~工場案内してもらいました。
コロナ禍前と比べて、かなり企業改革を断行していて、少数精鋭化と利益率向上(利益率が24→30%に向上)を実現していました。元々「売上規模を誇るよりも、優れた中小企業を目指す」という理念を掲げていたのですが、この世界情勢の中でも理念に邁進する姿は、日本からも見習う必要を感じました。
昨日のKingSteel社と比べるとアナログ的な面多いのですが、異なるアプローチ方法での企業改革の事例として学生にとって視野が広がりました。
台湾工場についてですが、日本と比べるとオープンファクトリー化が進んでいて、それによって情報共有やイノベーションが生まれやすくなってる気がします。
※日本だと秘匿化による閉鎖性から情報共有が厳しい(台湾は秘密と開放の部分を可視化しているからできる感じ)
お次はスキンケア製品工場。「へちま」「オクラ」などの野菜を主原料にして、半導体レベルの純水を使った環境性高いスキンケア製品を製造販売しています。ここも「製造や環境の見える化」にはこだわっていますが、これはヨーロッパ等の海外向けビジネスを進めるには「社会・環境を重視しないと取引が成立しない」という事情もある感じ。
午後から回った工場についても、「環境」は重要ワードになっていました。
日台教育交流ダイジェスト:3日目
→午前中から「彰化師範大学付属工業高校」に訪問。
校長先生自ら案内~説明をしてくれました。当日は現地学生も参加してくれて、英語等でコミュニケーションを取りながらの視察を実施。お互いの共通言語としての英語の重要性を認識する機会になった感じ。
この高校ですが、台湾三大工業高校という名称だけでなく、技術系国立大学への進学率84%という進学校としての側面もあります。AI授業なども行っていて、より技術の活用に力を入れた実践型教育と、技術系大学との連携が深いと感じました。
※実業系内容+進学校のハイブリッド教育だと、学生は即戦力&高度化が必然になる(それだけハード)
それから彰化市の偉人「頼和さん」の記念館に行って、理事長自ら説明と案内をしてくれました。
この偉人は医師として活躍しだだけでなく、台湾新文学の父、民衆活動のリーダーとしても活躍したという転生チートな凄い人だったみたいです。今でも尊敬する人たちが多く、記念館や活動イベントなども継続されており、そのような精神的支柱が彰化市の生活や活動を下支えしているんじゃないかと思いました。
昼ごはんは彰化市地元グルメの研究家の陳さん案内で街の散策と老舗グルメ店に訪問。
午後から彰化市役所に訪問して、彰化市長との面談と講話を聞きました。彰化市長は地域活性化などで活躍しており、多忙な中で時間を取ってくれてありがたかったです(普段の超人的スケジュールを聞いてたので)。「人と地域に寄り添う行政」の率先垂範リーダーは凄い!
それから彰化市の有名スポット「扇形車庫」や「八卦大仏」などを視察して、彰化市の観光・文化・行政などの取り組みなどを知る機会になりました。施設や取り組みの背景になる部分も知ることは、その地域の現状や今後により関心を高めるのだと実感しました。
★夜は近隣を散策(徒歩で行ける範囲)
日台教育交流ダイジェスト:4日目
→この日は彰化師範大学の留学体験的に施設案内と教育内容をダイジェストで知る機会になりました。
国際長は翌日から海外出張だったのですが、山口県からの学生のために時間を作ってくれました。当日は日本からの留学生と国際大使の学生が同行してくれたのですが、かなり優秀&個性的で、この大学の環境で培われた国際性やスキルを感じました。
※そもそも日本人だらけの台北の大学と比べると、辺境である彰化の環境は日本人にとっては異文化としての刺激が多く、国際性を鍛えられる
まずは大学構内案内と文化的な体験などで肩慣らしを行い、後半は怒涛の産業分野特化の教育ラッシュでビックリしました。
医療AIの研究についての説明から光学系~ロボット活用、半導体分野については回路設計の講義炸裂~半導体素材についての講話までと、超絶ハイレベルな教育現場(虎の穴)に飛び込んだ感じ。
さすがに専門力が無いため理解を超える内容ばかりですが、逆にそれだけの教育レベルや受講内容を学生が学んでいるということで、この大学の勢いと可能性に繋がっているように思いました。
台湾の教育全般に言えることですが、常に「台湾だけでなく世界を視野に入れた教育と実学実践」を考慮して教育&受講しているように感じます。日本だと地元や国内が主体で国際性は薄く、実学実践よりも座学&理論メインかもしれないのですが、これは台湾の国際情勢での立場「世界に出ないと成長が得られない」という危機意識が根底にあるのかもしれません。
※同じ台湾でも地元&国内メインなところは、わりとノンビリ&変化が少ない
★夜は夜市散策(情報量が多い)
日台教育交流ダイジェスト:5日目
→この日は今回大変お世話になったSJグループ会長の同行で、2日目とは別分野の産業視察でした。
最初はSJグループの20以上ある子会社の中から、一番古くて(65年以上)日本と関わりが深い「お風呂のスノコマット」工場の視察。このスノコマットですが、SJグループは主にOEMなので、日本では知られてませんが、製品自体は各日本メーカーで色々出ています。なんと日本でのシェア50%とのこと。
ちなみにスノコマットって日本でのみの販売商品みたい。海外にはスノコマット自体が無いとのこと。
この手の製品って中国やベトナム等で製造のイメージありましたが、台湾製造が長年支えているという豆知識でした。
それからパナソニックや欧米メーカーのOEM(TOTOみたいな製品)の大手LCMグループを視察(中国工場は18万坪でデカい)。現在は住宅製品だけでなく、台湾開発にてIoTやクラウドを活用したスマートホーム事業を拡充していました。
他にも「洗面台までIoTして体組成計等ともBluetooth連携」「NASAに採用された」「Googleサーバーの冷却ラック作ってる」など、日本では知られていない数々の製品の宝庫でした。
次は台湾革製品ブランド工房に訪問。ここでは娘さんが革製品教室を行っていました。
元々は工房だけだったのが、体験教室やレストランなどの観光施設化を行ったことで、観光スポット化していったみたい。
ハンドメイド生産だけでなく、その工房自体を観光資源化や付加価値化する取り組みは参考になります。
午後は健康IoTデバイス&健診クラウドサービスのGUIDER社による事業やシステムの説明会。離島の遠隔医療や介護現場でも使われている仕組みで、これから日本にも普及していくと思います。
他にも色々回ってから、「付加価値型菌床工場」を視察。ここでは菌床を生産して栽培化・輸出や自社ブランド製品化等を行っています。工場は観光体験が豊富で、週末は家族連れや団体などが訪れており、今回は菌床作りやキノコピザ作りなどの体験がありました。
夜はSJグループ会長の和風自宅で、実際にLCMグループのスマートホームの実体験を行ってビックリ。スマホでの住宅管理やセキュリティ・空調や照明の管理など色々なことが実際の住宅に導入されていました。
あと柳井市名物の金魚ちょうちんを進呈して、みんなでお茶会しました(お椀が金製だった!)
日台教育交流ダイジェスト:6日目
→最終日ですが、台湾の小京都「鹿港」に訪問。
ここでは伝統工芸の匠のと各工芸品の紹介、鹿港の文化や歴史についての講話がありました。
この地域からはグローバル経営者やIT人材なども数多く輩出しているのですが、彰化県の中でも伝統と革新がマッシュアップされた人材や産業が生まれる地域性なのかもしれません。
現在は、地域活性化活動にも力を入れており、注目スポットとして台湾でも知られています。
当日ですが、鹿港老街(レトロストリート?)がお祭りみたいになっていて観光客がたくさんいました。
老街の老舗散策したのですが、「敬天愛人=西郷隆盛や稲盛和夫氏の座右の銘として有名」の書道ショップとか、人間国宝の彫刻&本人がいた~カラスミのパフォーマンスおじさん登場~伝統菓子作りの現場体験とか色々あったり、観光電動四輪で車道を爆走(走っていいんだ、、、)とか刺激的な体験の数々。
★夜は近所の日本鍋料理店に行く(なぜか店内にWANDSの”世界が終るまでは…”が流れてる=SLAM DUNK効果?)
日台教育交流ダイジェスト:帰国日
→この日は午前中に台中市の王さんがホテルまで来てくれて、学生との交流と一緒に街の散策してから、ホテル隣の行列ジュース店で各種ジュースを買って空港送迎ジャンボタクシーに乗って移動。
早めに桃園空港に到着してから手続きして、空港内の飛行機見学スポット行ったりいろいろ見て回る。
ネタお土産買ったりして、夕方の航空便に搭乗→機内食食べて福岡空港に到着(かなり遅れた)。
福岡空港は訪日客がたくさんいて、税関手続き等で時間がかかったこともあり、帰りの新幹線にギリギリ乗れてなんとか徳山駅に到着しました。
これにて台湾取材訪問を完了し、駅構内の新幹線オブジェで記念撮影。
今回ですが、学生にとっては一般的な台湾体験(観光やグルメ)でなく、産業や教育の深い部分を学ぶ機会になったと思います。
これ自体は大人数での教育旅行では行くことが出来ない場所や会えない人物だらけだったので、この内容を「学びの共有化」としてプレゼン・コンテンツ化するというのが、これから行っていく取り組みになります。
最後に、紆余曲折ありましたが、みんな安全健康で帰国できたのが良かったです(ここ大事)。